北極のペンギンたちについて

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アイドルの概念とアイドルの語るアイドル論が好き

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深夜ラジオリスナーのSixTONES沼落ちブログ

はじめに

SixTONESANNが無事に改変突破したということで、喜びに任せてイチ深夜ラジオリスナーがリトルストーンとなりteamSixTONESの一員となった沼落ちブログを上げてみる。ANNからの流入にはこういうルートもあるのね、くらいの気持ちで読んでいただけると嬉しい。

 

1.SixTONESANNを食わず嫌いしていた頃

元々友人にJr.時代からの熱心なteamSixTONESがいたし、しやがれも見ていたのでSixTONESの存在自体は知っていた。ジャポもイミレも聞いたことがあって、何なら富豪刑事を見てナビゲMVに厨二の血が騒いだので初回盤で買っていた。NEW ERAやうやむやのMVも友人に勧められて見ていたし、デビュー当時の色々の話も友人から聞いて知ってはいた。ベスアでD.D.を歌うから見守ってくれと言われて見た記憶もある。

*1逆にここまできてなぜ落ちていなかったのか不思議なくらいではあるが、この段階ではSixTONESブランディングやキャラクター性、戦略性といった部分にまでは辿り着けずにいた。

 

2.2021.4.17   SixTONESANNの衝撃

 そんな私がSixTONESに一気に落ちたのはSixTONESのANNにCreepyNutsがゲストで来た週の前の週の放送(2021.4.17)がきっかけである。

 

CreepyNutsのオールナイトニッポン0に人生を救われてきた強火cnann0オタクである私はCreepyNutsが ゲストで出演すると知り、予習のために前の週のSixTONESANNを聞いた。

後に伝説となる松村北斗インセプションの起源の回である。

(ちなみにあの時は私もインセプったので違和感はなかった。インセプションの魔力恐るべし…)

 


衝撃だった。

最初の衝撃は「完璧に深夜ラジオをやっている」という点だった。リスナーとやり合って、長尺でフリートークをして、どうしようもない自分を曝け出しながらエンタメに昇華する。私のよく知っている大好きな深夜ラジオそのものだった。中でも北斗さんの自意識を拗らせた感じが大好物だった。こんなにラジオスターとしての素質のある人がいたのに自分は気付かなかったのかと恥ずかしささえ覚えた。

ラジオパーソナリティーとしてのSixTONESの沼に落ちた瞬間である。(この時点ではまだじゅりちゃんの言う通り声目的のファンである)


しかし衝撃はそこで終わらなかった。

彼らについて調べていく過程で当然アイドルとしての彼らのブランディングを知ることになる訳だが、そこでラジオで聴いた彼ら(その時はまだほくじゅりの声しか知らないわけだけど)のイメージとアイドルとしてのイメージの重なり具合の匙加減が絶妙なことを知る。ラジオの電波に乗せているキャラクターもアイドルとしてのキャラクターも、素材は同じでありながら調理方法が違う。1人の人間が見せる幅として無理がないのに、深夜ラジオに確実にチューニングを合わせてきている。

アイドルとしての彼らのブランディング、物語に強烈に惹かれて追っていくと、その圧倒的なセルフプロデュース力とキャラクター造成の魅力にも気付かされた。SixTONESの何が好きかと聞かれればいくらでも答えは思い浮かぶが、やはり根幹にあるのはこの時に感じたグループとしてのブランディングの妙への感動だと思う。

(勿論それにより演出されるSixTONESというブランドのことも大好きだ)

こうして「アイドルグループSixTONESの沼に落ちた。

 

3.SixTONESを一気に履修

そこからはあっという間だった。スト担の友人に沼に落ちたと申告し、トンパクを借りて鑑賞し、1STを取り込み*2、スト担によるブログを読み漁った。

*3

楽マガで『アトリエの前で』を読み、“アイドル松村北斗”が自担になることを確信した。

2週間も経たないうちにアルバムやシングルを自分で買い集め、ROM用のTwitterアカウントも作った。あのスピード感は(これまた深夜ラジオ経由で落ちた)CreepyNuts以来だった。

 

SixTONESを食わず嫌いしていた経緯

正直それまで、アイドルには深夜ラジオはできないと思い込んでいた。

それはよく言われるような「所詮はアイドルだから」というような侮蔑的なバイアスから生まれたものではない。寧ろ“アイドル”という概念が大好きで強烈な信念を抱いていたことによるものである。

アイドルオタクとして

私が初めて触れたアイドルは二宮和也で、ベイスト育ちである。

(そんなに古くからのリスナーではないので詳しく語るのは避けることにするが、少なくとも最近に関して言えば) ベイストとは、アイドル二宮和也がアイドルとしてのキャラクターそのままに一線をキュッと引いてお届けする番組である。「飄々とした空気感と可愛らしさ、鋭い語り口と優しい姿勢」という自ら構築した“ニノ”のパブリックイメージをそのままラジオに落とし込んだものだと私は感じている。具体的に悩んでいる人がいるような場面でのみほんの少し彼の人生哲学が顔を出すというバランスのあれは、天才アイドル二宮和也によって築かれたアイドルラジオのひとつの到達点であると思っている。

そしてその思いは、アイドルは虚であるというモットーはラジオにおいても貫かれていなければならないのだという発想に繋がっていた。

今考えると二宮和也というアイドルはかなり特殊な例だったように思う。“アイドルとして”のストーリーは意識的に見事に開示されている一方で、それ以外の部分でのストーリーはほとんど見えない底知れなさのある不思議なアイドルである。

アイドルが人生そのものを商品にする商売である以上、ストーリーの連なりは事実に立脚していなければならないし、その過程でパーソナリティがある程度(望む、望まないに関わらず)開示されていく性質がある。その傾向は近年のメディアの分散等により、アイドルが必ずしも“テレビの向こう側の人”でなくなってきたことも影響して加速しているように思う。

 

深夜ラジオリスナーとして

一方で、深夜ラジオリスナーとしての私はCreepyNutsのオールナイトニッポン0育ちである。

自分の生きづらさに悩み、漠然とどうしようもなさを抱えたまま動けずにいた私にとって、それらをエンタメに昇華させて、無理に克服させようとするような押し付けがましさなしに輝いている松永さんの生き様は救いだった。

もちろんエンタメである以上リアルそのものではないことは承知しているが、その上で生々しい葛藤や苦悩、羨望や嫉妬といったものたちを曝け出すパーソナリティーに共鳴し、名前も顔も知らない者たちが不思議と深く繋がっていくあの空間は大切な居場所である。

(いつだったか松永さんがラジオでぽろっと言っていた「ラジオは信仰だ」という言葉は本当にその通りだと思う。当たり回とか外れ回とか、面白い面白くないという概念を超えたところに、ラジオへの感謝と信仰が存在するのだと大真面目に思っている。)

深夜ラジオはどこまでもリアルに立脚していなければならないのだという発想になるのは比較的自然な流れだった。

 


「アイドルとは虚像のエンタメであり、深夜ラジオとはリアルを元にしたエンタメである」

そうだとすれば両者はその性質上両立不可能で、どちらかを犠牲にするかどちらも中途半端にすることでしか成立しないはず、と思い込んだ。アイドルも深夜ラジオも大好きなだけに、妙に強い信念を持ってSixTONESオールナイトニッポンサタデースペシャルを食わず嫌いしてしまったのである。近くにはいたのにSixTONESに出会うのが大分遅れてしまった。

(実際にはラジオと親和性の高いSixTONESと敏腕ひえおじのコラボレーションで、メンバーごとに絶妙な塩梅で虚と実の線引きをして両立させ、更にアイドルのパブリックイメージをも利用して面白くする奇跡のラジオが存在したのに…)

 

おわりに

今番組開始時当時の私に会えるなら、(欲を言えば単発回放送時の私と話ができるなら)

君のアイドル観も深夜ラジオ観も裏切らずに両立させているSixTONESという奇跡のようなグループがある。聴けば確実に沼落ちするからとにかく聴いてくれ!

と熱くプレゼンしたい。

根拠があるようで無かった強烈な思い込みのせいで、珠玉のフリートークも、推しラジオがレギュラーになる瞬間も、CMで耳にはしていたご当地ラップが出来上がる過程も聴き逃した。ゆめちゃんの話がめちゃくちゃ面白かったらしいと後からTwitterで知ったときの悔しさはとんでもなかった。

もっと言えばteamSixTONESとしてデビュー前後のSixTONESを応援することができなかった。それは多分この先もずっと悔しいままだと思う。

 

(権利関係で中々難しいだろうけど何とか上手い具合にSixTONESANNがANNJAMに登場しないかなと密かに願っている。願うだけなら許されるはず。神様仏様ニッポン放送様どうかお願いします。

叶わなかったらその時はその時で仕方ない。どんな神回も1週経てば消えてしまう儚いメディアだからこそ生まれる面白さがあることもまた理解してはいるので…いずれにせよSixTONESデビュー前からずっと応援されてきた先輩チムストの方々には感謝しかない。)

樹さんの言う通り過去は変えられないのだから、今後はリトルストーンとして、teamSixTONESの一員として、これから放送される全SixTONESANNを逃さず楽しむのみだ。

 

ANNはその時間帯も相まって、多忙な芸能人がパーソナリティを務め続けることがいかにハードであるか想像に難くない。デビュー以後ますます忙しくなったであろう彼らが毎週声を聴かせてくれていることは当たり前ではない。アイドルSixTONESに出会わせてくれて、今もなお毎週楽しみを与えてくれているSixTONESANNに心から感謝している。

 

これから先もどうか、SixTONESANNがSixTONESというストーリーの一部として続いてくれますように。来年度のSixTONESANNも楽しみにしています!改変突破おめでとうございます!

 

 

(余談だけどラジオの違法アップロードは上げない、聞かないスタンスがとにかく大事。今後も改変を突破して末長く番組を続けるためにもradikoで聞いてください。お願いします。)

 

*1:ラップ担当の声の操り方が好きだな(樹)とか優しさのある声が好きだな(ジェシー)とか、今も抱いている推しポイントのいくつかはすでに感じていた。

*2:S.I.Xが気に入って一時期狂ったように聞きながら登校していた

*3:私がストーリーとブランディングで落ちるタイプのオタクであることを見抜いて、当時の既発売分の1万字を貸してくれた友人は布教が上手すぎる。