北極のペンギンたちについて

北極のペンギンたちについて

アイドルの概念とアイドルの語るアイドル論が好き

北極のペンギンたちについて

オオウミガラスとアイドル

オオウミガラスという海鳥がかつて存在した。

 

北大西洋と北極圏近くの島や海岸に広く大量に分布していた。かなり大型で、外見も動作もペンギンに似ていたらしい。

かつては”ペンギン”といえば北極に存在したこの海鳥のことを指していた。本家“ペンギン”であるオオウミガラスが絶滅したことで、南極に存在する類似した海鳥が単に「ペンギン」と呼ばれるようになり現在に至る。

人間に対する警戒心がなく、逆に好奇心から自ら人間に近寄ってきたと言われている。発見した当初は大量に生息していたが、そのあまりの数の多さから本格的な研究がなされないまま羽毛や脂・卵のために乱獲され、一気に大きく数を減らした。蓄えられた脂が現地では貴重なエネルギー源となったらしい。

絶滅寸前となり希少価値が上がると標本作成目的でも乱獲されるようになり、皮肉なことにこれが決定打となって1844年に絶滅した。現在では標本が残るのみである。

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このオオウミガラスという鳥の絶滅の経緯を知った時、アイドルという存在と重なる部分があるような気がして怖くなった。

 

アイドルは私たちが熱狂するのに十分な、多彩なスキルを有していて、わざわざ私たちの前に出てきてくれている。ファンを大切に思っている、というような優しい言葉までプレゼントしてくれる。地獄のようなこの世をサバイブする私たちにとって、アイドルは効率の良い栄養源になってしまう。

 

しかしながら、彼らが私たちの前に出てきてくれていることを免罪符にすれば、消費しても(乱獲しても)大丈夫ということになるわけではない。

アイドルも生身の人間で、消費すれば壊れてしまう。一度壊れたものは二度と元には戻らない。“それがオタクの業だから仕方がない”というような露悪的な開き直りも、当然許される筈がない。

常に、“自分がアイドルを削りとる取り返しのつかないやり方でアイドルを消費をしてしまっているのではないか”という点を意識し続けねば、と思う。

 

(ちなみにTwitterのアイコンはいらすとやさんによるオオウミガラスのイラストです)

 

 

参考:

オオウミガラス コトバンク 

kotobank.jp

7月 3日 オオウミガラスが絶滅(1844年) サイエンス365days 

gendai.media

オオウミガラス Wikipedia 

ja.m.wikipedia.org

できるだけ正確に書いたつもりですが、情報に誤り等ありましたら教えていただけると幸いです